低用量ピルは性病検査に影響が出てしまうのか調べてみた。
生理不順や望まない妊娠を防ぐために避妊薬である低用量ピルを処方してもらっている女性も増えてきているようですが、ピルを飲んでいることを理由にコンドームなどの避妊具を着用せずに性行為を迫る男性も多いようですね。
ただ、コンドームを使用しない性行為は低用量ピルを服用していることで妊娠こそしないものの性感染症の感染リスクが非常に高まります。
「念のため性病検査を受けたほうがいいかも」そう思われる方も多いでしょう。
そこで気になるのが
「ピルは性病検査に影響が出ないのか?」
ですよね。
かなり専門的な論文などを読まなければなりませんでしたが頑張って調べてみました。
低用量ピルの基本をざっくり知ろう。
まずは、低用量ピルを飲むことによって体にどんな変化が起こっているのかをざっくり知りましょう。
避妊用としての利用よりも日本では
- PMSの予防・症状軽減
- 生理不順の改善
等を目的として処方されることが多い低用量ピルですが、ピルの基本的な効果はエストロゲンやプロゲステロン等のホルモン摂取によって疑似的な妊娠状態を作り出すことにあります。
(※細かいことをしっかり説明するとちょっと違いますが解りやすくするためのこのような説明にしています。)
これによって、ホルモンバランスが整えられて生理不順やPMSの症状が抑えられるというわけです。
身体が妊娠していると誤認しているから妊娠もしないというわけですね。
低用量ピルを服用することによって起こる体の中の主な変化はホルモンバランスの変化です。
これを踏まえたうえで、低用量ピルを服用していることが性感染症検査の結果に影響を与えてしまうのかどうかを見ていきましょう。
ピル服用が尿検査・膣分泌物採取検査に与える影響は?
性感染症の検査でどのような方法を使って検査しているのかを調べてみたところ、リアルタイムPCR法という方法を使っているところが多いようで多くの病院や検査機関でこの方法を使ってクラミジアや淋病などの検査を行っているようです。
最近人気が高い、自宅で自分で検査が出来る輸送性病検査キットなどもこの方法を採用しているところが多いです。
このリアルタイムPCR法という検査方法は検体の中に含まれるDNAを増幅させて検査を行う方法らしいです。
クラミジア・淋病検査の場合は検体中に含まれる微量のクラミジアと淋病のDNAが含まれていないかどうかを調べることによって陰性か陽性かを判断するという事ですね。
要するに、尿や膣分泌物の中にクラミジア菌や淋病菌などの微生物が居るのかいないのか調べる検査のようです。
これに対して、低用量ピルは女性ホルモンを調整するモノですので、そもそも体の中に居ないはずの微生物が居るのかいないのかを調べる検査に対して大きな影響が出るとは一般的に見て考えにくいでしょう。
ピルを服用した状態でリアルタイムPCR法を用いたクラミジアや淋病の性病検査を受けても検査結果に影響はないでしょう。
通常妊娠した妊婦さんが、妊娠初期に必ず受ける性感染症の検査も同じ方法を採用されていることを考えても、疑似的な妊娠状態のピル服用者が同じ方法の性感染症検査を受けても検査結果に影響はないといえるでしょう。
ピルの服用による影響なありませんが、検査を行う検体に血液が付着しているとリアルタイムPCR法での検査は検査結果が正確ではなくなるという事でした。
生理中などに検体を採取した場合、検査結果が正確ではない可能性があるそうですのでその点は注意が必要です。
ピルで梅毒の検査、性病血液検査に影響は出るか?
梅毒の検査で一般的に行われるのはTPHA法検査というもので、梅毒に感染した場合に血液中にできる特徴的な抗体を検出することによって梅毒の感染しているのかどうかを調べる検査方法とのことです。
梅毒に感染した後にしか見られない抗体があれば感染している。
その抗体が無ければ感染していないという事になります。
(※以前に梅毒の治療を受けたいた場合は陽性反応が出てしまうという事です)
低用量ピルの服用によってホルモンバランスが変化からといって梅毒感染特有の抗体に何か影響が出るとも考えにくいのでこちらも、ピルを服用している状態で検査を受けても結果に影響はないと考えてよいのではないかと思います。
低用量ピルを服用している場合、通常の健康診断も普通に受けることは可能で結果に影響が出るとしたら血圧の数値ぐらいらしいのでそれほど神経質になって気にする必要はないのではないでしょうか。
どうしても気になる場合は病院であればお医者さんに、検査キットなどを使うのであれば検査機関のサポートセンターなどに問い合わせれば答えてくれることでしょう。
参考になれば。