厚生労働省資料性病検査キット配布調査の結果など。
厚生労働省のホームページから参照可能なPDFファイルに、郵送クラミジア自己検査キットを配布した非常に興味深い調査結果が載っていましたのでそちらの情報をこちらのページではシェアしたいと思います。
この調査では、15歳〜25歳までの若年層を対象として性器クラミジア無症状病原体保有者の数などを調査していました。
また、若年層の陽性だった場合の医療機関受診の障害となっている要因なども調査されています。
若年層の無症状クラミジア保有者%がかなり多い。
この厚生労働省が掲載している資料の調査は保健所の方と日本製感染症学会の方がまとめられたもののようで、平成18年〜平成22年までに行った調査結果が載っていました。
その中で、統計データとしてはちょっと分母の数が少ないかなという印象は受けましたが若年層の無症状クラミジア保有%データが記載されていたのですが、その数が意外と大きくて私の個人的印象ですが正直びっくりしました。
調査方法は15歳〜25歳を対象に、学園祭や保健所・各種イベント・大学等で郵送性器クラミジア検査キットを配り、回収した結果のようです。
その数字はこうでした
- H18 男性 5.8% 女性 8.6%(10代女子 10%)
- H19 男性 6.5% 女性 4.2%
- H20 男性 3.3% 女性 5.3%
- H22 男性 4.0% 女性 3.0%
対象人数が1000人〜2000人前後で、検体回収率なども18%〜29%程度の調査の結果なのでどの程度正確なデータなのかは多少不安がありますが、3%〜8%前後の対象者に無症状ながらクラミジアが発見されたことになります。
30人に一人程度の確率になるのでかなりの確率であると思い愕然としました。
確かに、厚生労働省の定点報告数などでも毎年常にトップになるのがクラミジアなので、感染者数は相当数いるという予想はありましたがこれほどまでとは驚きです。
中高生ほど保険証を使わず治療をしたがっている
気持ちはわからなくもないですが、まだ学生である中学生や高校生ほど性感染症にかかった場合親の保険証を使わずに治療をしたいと願っているようです。
親にバレたくないのでしょう。
とはいうものの、学生であればまだまだ経済的に自立しているとはいえず自由診療での治療にかかる医療費を全額自分で負担できるとも思えません。
そのような葛藤から治療が遅れたり、治療をしないという選択をしてしまうことが無いようになんとか対策ができないものかと思ってしまいました。
最後に感想を
郵送での性病検査キットの普及による検査機会の拡大は、性感染症の拡大に歯止めをかける役割を担っているところは大いにあると個人的には考えておりますし、今回の調査でも使用されている郵送クラミジア検査キット(PCR検出)のようなものはもっと普及してもいいのではと考えています。
しかし、当たり前の話ですが検査で判るのは「感染しているのか感染していないのか」でしかなく具体的な治療につながらなければ意味がありません。
クラミジアのような性感染症は感染者数も多くかなり身近な問題として意識すべき事柄ですし、ここまで若年層に広がっているのであればもっと治療につながるような具体的な施策ができてくることを願いたいと思います。
【本ページ参考厚生労働省PDF資料】(引用元)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001dh87-att/2r9852000001dhip.pdf