郵送性病検査キットの5つのデメリットについて。
どのような製品や商品にも一定程度のデメリットがあります。
郵送で性病検査を行うことが出来る性病検査キットも例外ではありません。
手軽で普段忙しく病院・クリニックや保健所などで検査を受けることが出来ない人などにも人気がある郵送性病検査キットのデメリットを記載しておきますので参考にしてみてください。
1. お医者さんに直接アドバイスなどをもらうことが出来ない
郵送性病検査キットを利用した性病検査の場合、直接お医者さんに会うことはないので医師に質問などをしてアドバイスをもらうことはできなくなります。
誰にも会わずに検査をするお方法になるので、当然と言えば当然ですが専門家の意見を聞けないことはデメリットの一つと言えます。
2. 保険適用外の検査となる。
病院などに赴き、検査を受ける場合は健康保険を使うことが出来る性感染症科などのクリニックで、
- 自覚症状がある
- 感染が強く疑われる
という場合は、保険適用の検査費用負担となり実際にかかる検査費用の3割を負担すればよいことになります。
保険証を使う事によって1年に一回送られてくる保険証使用履歴を見られることによって家族などに検査を受けたことがバレてしまうリスクは増えるものの、費用負担が自由診療よりも少なくて済みます。
しかし、郵送検査キットを利用した性病検査の場合は保険適用を受けることはできませんのでこのような場合は費用面にデメリットがあります。
3. 梅毒感染歴がある場合は意味がない
郵送性病検査キットを利用した梅毒の感染を調べる検査方法は、その多くの検査機関でTP-PA法が用いられています。
このTP-PA法は、梅毒に感染した際に特有に表れるTP抗体という抗体の数値を調べる検査方法なので生まれて初めて梅毒に感染した方が検査を行う場合は非常に精度の高い検査を行うことが可能です。
しかし、過去に梅毒に感染した経歴がある方の場合はすでに完治していてもTP抗体が感染したことがない人に比べ一定程度増えた状態が維持されてしまうためTP-PA法による梅毒抗体検査では偽陽性(+)(感染してなくても感染しているという結果)がでてしまうのです。
このため、梅毒の治療歴がある方の場合は郵送性病検査キットを利用したTP-PA法検査ではなく、その他の方法を複合的に行い医師などの専門家による判断を仰ぐ必要があります。
過去に、梅毒の感染歴がある場合は郵送検査キットの検査は意味を成しません。
4. 完治判断検査には使うことが出来ない
梅毒の場合は上に述べたとおりですが、クラミジアや淋病などの検査においても治療により完治したのかどうかを判断する検査として郵送性病検査キットを利用することは適切とは言えません。
クラミジアや淋病などの郵送性病検査ではPCR法という検体中のDNAを増幅させて、その中に病原菌のDNAが無いのかどうかを調べる検査方法なのです。
そのため、検体の中に治療によって死滅した病原菌の死骸が含まれている場合でもDNAが検出されてしまい、偽陽性(+)(感染してなくても感染しているという結果)がでてしまうのです。
服薬などによる治療が終わった直後でも、クラミジア菌や淋病菌などの細菌の死骸は体内に残っています。
治療が完了して体内に残っている病原菌の死骸が完全に体内から排出されたのちであれば再度郵送性病検査キットによる検査は有効な検査となりますが、そうでない場合であれば培養検査など別の方法での検査を選択するべきです。
5. 検査結果が出るまでに時間がかかる
病院やクリニックなどで受ける即日検査などに比べればやはり郵送の時間が必要な分、検査結果を得るまでに時間がかかります。
- 注文して届くまでに最短1日
- 検体を送り返すのに最短1日
- 検査結果が出るまで最短1日
どんなに速く検査結果が知ることが出来たとしても最低3日は掛かります。
もちろんこれはあくまでも最短での計算なので、実際には検査結果が分かるまで3日〜6日程度の開きがあるでしょう。
すでに自覚症状が出ている場合などは検査結果を待っている間にも病状は悪化していってしまうので郵送検査ではなく病院やクリニックでの検査と治療を素早く行う事をお勧めします。
以上が郵送性病検査キットを利用する際の5つのデメリットです。
自覚症状が乏しい、もしくは無い場合に念のため自己防衛をしておこうという動機で郵送の性病検査キットを利用するというのは自覚症状が出にくい性感染症も多いという事を考えればよい判断だと思います。
この様なデメリットがあるという事を理解した上で利用を検討してみてください。