膀胱炎の尿検査で性病(淋病・クラミジア)は判るの?
性病感染を単なる膀胱炎と誤診されてしまう事があるらしい!
そんな情報をもとにこのサイトにたどり着いたのでしょうか?
確かに、一般的な膀胱炎とクラミジアや淋病などの性感染症の症状は
- 排尿痛
- 排尿時の違和感
- 尿の色がちょっと変
などの共通する部分も多いですし、性病を疑っていない状態で泌尿器科などを受診していた場合
「最近性行為をしましたか?」
なんて事を問診で聞かれることはまずないでしょうから正確な診断を下すための情報が得られていないお医者さんも誤診をしてしまう場合もあるでしょう。
「でも尿検査もしたし、性病だったら検査で判るでしょう?」
そんな疑問も浮かびますよね。
しかし、通常の尿検査では性感染症の病原細菌検査まではしないのが普通ですので膀胱炎の検査で性感染症に感染しているのかどうかを判別できるわけではないのです。
性病検査と膀胱炎検査は別物
まず、膀胱炎の原因として通常考えられるのは
- ストレス
- 過労
- 過度なトイレの我慢
等によって免疫力が低下したことによって通常排除される大腸菌などが膀胱内で繁殖してしまい炎症を起こしてしまう事が考えられます。
そこで、尿検査などで
- 大腸菌の培養検査
- 白血球の数値の確認
を行い診断の材料にします。
単なる膀胱炎の検査だけであれば、これだけの情報があれば通常は十分な診断材料になりますからわざわざ最初から検査費用を負担させて性感染症の検査まではやりません。
しかし、この時点で大腸菌の繁殖が確認できなければ他の病気の可能性が出てきますので
- クラミジア
- 淋病
などが原因である膀胱炎なのかを疑うことになります。
そして再び尿検査で上記性感染症の原因菌が尿中に居るのかいないのかを判断するリアルタイムPCR法という微量のDNAを増幅させて原因菌となる淋病やクラミジア菌のDNA型がないかどうかを調べる検査を行うこととなるのです。
現在でも淋病やクラミジアの検査で培養検査を行う事はありますが、検査精度が非常に低いことからより検査精度が高いDNA検出を行うリアルタイムPCR法が主流となっています。
まとめると
- 単純に膀胱炎というだけの尿検査では性病の判別はほとんどできない。
- 性病の検査はPCR法というDNA検出検査、やり方が全然違う。
単なる膀胱炎は自然治癒するけど性病は治療必須。
重症ではない膀胱炎で、単純に大腸菌が膀胱内に入り込んでしまったというのであれば自己免疫力で自然に治ることも期待できます。
ただ、病院などで再検査を求められた場合や性感染症の疑いを持たれて問診などで性生活の事を聞かれたとき、恥ずかしいかもしれませんがちゃんと答えてくださいね。
正確な診断の妨げになります。
結果的にクラミジアや淋病などの性感染症に感染していることが分かったとしても、適切な治療を受ければこの二つの感染症は治る病気です。
不安があるのなら念のため検査しとくのも良い
- わざわざ病院に行きたくない
- 性病だったら恥ずかしい
- 普通の膀胱炎かもしれないし
そんな理由から性病検査をセットにした膀胱炎の尿検査を受けることに抵抗を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、もし本当に性病に感染していたら
- 不妊
- 子宮外妊娠
- 最悪卵管摘出
などの可能性もあります。
性病菌が原因の膀胱炎ならほぼ間違いなく膣に感染が見られるはずです。
産婦人科などを受診することが望ましいとは思いますが、どうしても恥ずかしいとか時間が無いという場合は念のため郵送の検査キットなどを利用して検査をしてみるとよいと思います。
もちろん。検査の結果感染が確定したら適切な医療機関を受診して治してくださいね。